兼業投資家キリンの株式投資ブログ

本業では会計・法人税関連の実務を細々行う兼業投資家の投資メモ、仕事論などを綴ります

初めての議決権行使クオカード到着

ダイトウボウから議決権行使クオカードが届きました。

そもそも議決権クオカというものを最近まで知らなかったので、今回が初めての取得となります。

議決権クオカードとは、の説明をすべきところではありますが、こちらを見ていただければ全てわかるのでご覧いただくこととしてサボらせていただきますw

zaitech-life.com

引用させていただいたのは「けーさん@株ブロガー」(以下、けーさん)というハンドルネームでTwitterもされている若手投資家さんの人気ブログの記事です。

けーさんはまだ20代前半の関西を代表する凄腕若手投資家さんのお一人です。

基本的にはグロース銘柄を中心に投資をされていますが、今回引用させていただいたように「議決権クオカード」のようなコツコツ拾えるものもソツなく獲得されていく、攻撃力と堅実さを兼ね備えた引出しの豊富な投資家さんです。

また、プロ野球オリックスバファローズをこよなく愛しておられ、千葉ロッテファンの私と京セラドームでオリックスロッテ戦をケンカしながら観戦させていただいたこともありますw

というわけで、年齢では私のほうがひとまわりどころじゃないぐらい上なんですが、投資家としてはこちらが尊敬させていただいております。

ブログのすばらしさはお読みいただいて感じていただければと思いますので、ここでは「けーさんあるある」を列挙して締めくくりたいと思います。


Twitterのつぶやきでマウントしがち


・球場まで行った試合オリックス負けがち


けーさんこれからもよろしく!


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IFRSで「のれん」定期償却が採用されたら・・

先日、7/19に日経新聞の記事をきっかけに
『投資初心者の方も知っておきたい「のれん」についての基礎知識』
というタイトルで投稿しました。

www.kirin520.work


その中で、会計基準間でのれん償却のルールが違いますと書きました。

日本基準では最長20年での定期償却が必要、一方で欧米の基準では定期償却は不要という内容です。


今回はこの件の補足で、昨年あたりから、IASB(国際的な会計基準を検討する団体、と理解ください)のほうで、
【国際基準でも日本みたいにのれん償却したほうがええかも】となり始め、議論がなされています。

ただ、期間損益への影響がかなり大きいだけに、当然ながら慎重派も多く、議論の行方は不透明、というのが現状のようです。

(参考)6/26日本経済新聞記事

もしIFRSでのれん定期償却が義務付けられることになったら・・

6/26付日経新聞記事によると、多額ののれんを計上する日本企業として、ソフトバンクグループ武田薬品工業の2社が記載されています。

仮にIFRSで日本基準同様の償却ルール(最長20年)が適用された場合の単年度利益に与える影響をざっくり見てみましょう。

社名 ①のれん金額 ②単年度償却(①/20) ③'21/3期税前利益 ②/③
ソフトバンクグループ 4.3 0.215 2.7 8.0%
武田薬品工業 4.1 0.205 0.16 128.1%

(金額は兆円単位、①は6/26日経新聞記載数値、③は四季報記載数値)

ソフトバンクも業績のブレはかなり大きいんで、'21/3期という一時点だけをとらえたものになるのは必ずしも適切な見え方ではありませんが、それでもまぁソフトバンクはさすがの利益規模ですね。のれん償却を行ったとしても単年度利益への影響は軽微と見えます。

一方、武田薬品
こちらはシャイアー買収により一気にのれんが膨らんだ格好になっています。
'21/3期時点では単年度利益でのれん償却額をカバーしきれない公算になりますね。


このように、のれん償却の影響度は会社によってはかなりのインパクトを与えることが見込まれます。

影響が大きすぎるので、個人的にはIASBの議論のなかでのれん償却の方向に進む可能性は高くなく、仮に進んだ場合でも、日本のように最長20年ではなくもっと長期での償却を認める落としどころが模索されるのかなという気がします。

いずれにせよ、IASBの議論の状況については引続き注視していきたいと思います。

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SBIネオモバイル証券を使った端株ポートフォリオ(2019.7.19)

今年サービス開始されたSBIネオモバイル証券では手持ちのTポイントを使用して株を購入することができます。

SBIネオモバイル証券はこちら
www.sbineomobile.co.jp

Tポイントと端株から得られる配当のみででコツコツ端株を買い続けることとしており、
・現金を使わずに配当金をもらい続けること
株主優待の長期優遇の権利確保

を目指してまいります。

前回更新時より、明光ネットワークジャパン(4668)を1株買いました。

同社は連続増配で有名な会社でしたが、2019.8期に減配をしています。

減配はあったものの、ここはクオカード優待の長期優遇もあるため、ひとまず端株ポートフォリオの仲間入りです。

8月末が権利日となるため、クロス含め取得を検討していきます。

Tポイントだけで購入した端株ポートフォリオ(7/19)
No 銘柄 株数 予想配当額(年間)
1 積水ハウス 1 81
2 学情 1 37
3 双日 1 17
4 JT 1 154
5 サムティ 1 77
6 ケイアイスター不動産 1 84
7 上新電機 1 42
8 セブン銀行 1 11
9 ベリテ 1 19.94
10 ホンダ 1 111
11 日本和装 1 13
12 日本創発 1 24
13 三菱ケミカルHD 1 40
14 FPG 1 53
15 近鉄エクスプレス 1 30
16 ヒューリック 1 28.5
17 ジーテクト 1 48
18 明光ネットワーク 1 30
配当計 - - 900(税後717)

年間予想配当は税前900円まで来ました。
Tポイントが配当を産んでくれるのはありがたいです。

今後もTポイントを入手する都度端株購入を行い、現金を使わずインカムゲインを積み上げていきたいと思います。

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投資初心者の方も知っておきたい「のれん」についての基礎知識

7/19日経新聞朝刊1面にM&Aに係る「のれん」の減損損失が増加している旨の記事がありました。
と、朝のモーサテで言ってましたw

私は今春まで長らく某社で連結財務諸表を作成する仕事をしていたので、のれんとも触れ合う日々を過ごしてきました。

今回は、投資初心者の方も知っておいて損はない「のれん」の基礎知識を解説します。

※なお、正確な会計基準に基づく文言ではなく、理解のために表現を崩して記載しますので、正確に知りたい方は各会計基準を参照ください。


1.「のれん」とは

「のれん」とは、企業がM&A(買収・合併)で支払った金額のうち、買収先企業の「純資産(=資産ー負債)」を上回る金額を言います。
逆に、支払った金額が買収先企業の純資産を下回る場合は、その差額を「負ののれん」と言います。

実務上、大半のM&Aのケースでは「のれん」が出るのが一般的です。

我々投資家が株を買う際はできるだけ安く買いたいと思うように、企業がM&Aをする際も安く買えるにこしたことはありませんが、実際には純資産価値だけではなく、ブランド力や既存事業とのシナジー効果などのプレミアムを見込んだ価格で買収することが多いためです。

ここからはおまけですが、実務上はこの「純資産」を算出するまでが超絶大変です、、

「資産ー負債」と書きましたが、【資産・負債の各勘定科目について、できる限り買収時の時価で評価し直せや】という会計ルール(企業結合会計基準の考え方)があり、買収案件に接する経理担当はここで悶絶するのがデフォです。

大型の出資になるとコンサルを入れてデューデリジェンスを行うことになりますが、コンサルから提出されたアウトプットを会社なりに整理して監査法人に説明して合意を得るまでには軽く数ヶ月は要することがザラにあります。

というわけで、苦労して算出した"バーチャルな純資産"と出資額を比べる形で、皆さんが財務諸表で目にされる「のれん」の金額は算出されています。


2.のれんの会計処理

ここまでの話は単なる知識ですが、投資家としては財務諸表にどういう影響があるか、という視点が重要になりますね。

まず、上で書いた苦労して算出したのれんの金額、これは貸借対照表の無形固定資産に「のれん」という勘定科目で計上します。
その後、「20年以下の効果の及ぶ期間」で毎年毎年定額で費用化していきます。これを「のれん償却」といいます。

「20年以下の効果の及ぶ期間」は、会社ごと、案件ごとに決める必要があります。
最大20年間にわたり損益に影響することになるので、監査法人もここは慎重に会社側の理屈を吟味してくることになります。

償却期間が短いほど、単年度の連結損益に与える影響が大きくなり(単年度利益を下押し)、長いほど単年度の損益への影響は小さいけど長い期間影響が残る、ということで、長期間のトータルではもちろんイーブンになるのですが、当面の期間損益への影響という意味では償却期間の長短が大きなファクターとなります。

一方で、「負ののれん」が出た場合は、【出た期の特別利益で一括処理せい!】という会計基準になっています。
【安く買った恩恵を毎年毎年利益として受けられると思うなよ】という思想なのかはよく知りませんが、一時的な利益として処理してしまわねばなりません。


3.償却については会計基準間でルールが異なる

ここまではすべて「日本基準」を前提に話を進めてきました。

昨今、「IFRS国際会計基準)」を導入する日本企業も随分増えてきました。

どうでもいいですが、「IFRS」なんて読むのが主流なんですかね。。
私は「イファース」と読んでますが、「アイエフアールエス」と言う人もけっこうな割合いらっしゃいますね。
ごくまれに「アイファース」という人もいてます、どうでもいいです。

で、「IFRS」。
IFRSでは「のれんを定期償却しない」のがルールです。

日本基準では毎年一定額(最長の20年償却でものれん金額の1/20)が費用になりますが、IFRSでは毎年の費用が出ないんですね。
その分IFRSのほうが利益が高く出ます

なので、のれんをたくさん抱える企業が日本基準⇒IFRSに切り替えた場合、単純にのれん償却分だけ利益がかさ上げされることになります。
まぁ、かさ上げされたと言っても、見えてる利益は利益に違いないわけですが、「本業でより稼げるようになったというわけではない」ことは頭に置いて数字を見る必要はあると思います。

あと、もっと恐ろしいのは、IFRSの場合、
【のれんの定期償却は許してやる。けど毎年「減損テスト(=のれんの資産価値が本当にあるのかのチェック)」をやって、価値がないんなら一気に費用にしてもらうからよろしく】というルールになっています。

特定のM&A案件に起因するのれんが多額にある場合、その買収先がうまく回らなくなると、一気に多額の減損を出さないといけないということです。
のれんがたくさんある会社については、こういったリスクがあることは頭においておく必要があります。

実際には、子会社の業績までわからないケースがほとんどなので、大丈夫なことを祈るしかないんですけどね・・。


4.今朝の日経記事

のれんの減損損失は世界的に増えているようですが、そもそものれんの総額が増え続けてて、減損の比率自体が上がってるわけではない、という切り口ですね。

世界的に景気が耐えてる間は大きく話題になることもないのかもしれないです。

これがリセッションと呼ばれる状態になってくると、業績が悪くなる⇒のれん価値が薄くなる⇒減損急増、となるリスクは当然にあります。
また、そのときにはそもそものれんを計上してる親会社の業績も悪化するでしょうから、ダブルパンチ的に効いてくることが想定されます。

こういう世の中でもあるんで、普段貸借対照表をあまりご覧になられないという方も、たまに立ち止まって眺めてみると思わぬ気づきがあるかもしれないですね。


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システム情報が上場来高値更新 相場メモ(2019.7.16)

はてなブログの読者さんが170名となりました。
ブログに関してはまだまだ勉強不足でして、なんの工夫もできてない現状ではありますが、はてなブログさんは初心者でも始めやすいブログなのでしょうね、よくわかりませんがそう思います。

さて、日経はマイナス、マザーズはそーせいの寄与がありプラスとなっています。


保有株の主な動きなど

システム情報(3677):上場来高値を更新しています。

アルー(7043):アルーホルダーには慣れた動きになりつつありますが、見事な連続陰線です。Twitterを見てると再含み損化してる人もおられますし、4-5月ごろの1200円前後がなかなか強めのしこりとなっているようです。

・現物保有銘柄では、翻訳センター(2483)を利確し、新たにサムティ(3244)が仲間に加わっています。

株式投資を始めて5年目ですが、先月ようやく信用口座を開設しまして、短期売買が格段にやりやすくなりました。退場にも近づいたわけですが、無理せず使っていければいいかなと思います。


〇主なツイート

・今日は有給でしたので珍しく昼間にごちゃごちゃ言うてます。

[https://twitter.com/yudu1105/status/1150982116974292992:embed#投資は自己責任なんで僕は銘柄を恨まないし悪口も言いません。

アルーほんまあかん。 https://t.co/GwfvxO8xRy]


さて、今日で決算発表はひと段落となります。
来週後半あたりから重要な3月決算1Qの発表が増えますので、鋭気を養いつつまた頑張ってまいりましょう。


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Twitterに「仕事論」をいろいろ書きました

おかげさまで当ブログ、はてなブログの読者数が3桁に乗ってきました。ありがとうございます。

Twitterのほうをご覧いただいてる方はあまり多くないかなと思うので、今日書いた仕事に対する考え方のツイートを掲載しておきます。


少しでも職場が良い方向で回っていけるよう、微力ながらやっていきたいと思います。


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相場メモ(2019.7.12)

マザーズの下げが目立った1日でしたね。
今月は昨日までは日経と比べて優勢に推移してきましたが、今日時点で前月末比で日経+1.93%、マザーズ+0.32%で逆転した形に。

今週は2月決算企業の1Q、5月決算企業の本決算発表が相次ぎました。

特にグロース銘柄では決算発表内容により株価は大きく動くわけですが、発表前に期待が乗りすぎてる(ように見える)銘柄は特に跨ぐかどうか慎重な検討が必要なのかなと思います。

[https://twitter.com/yudu1105/status/1149835713434619904:embed#スタジオアタオやチームスピリットのS安を見ると決算跨ぎの難しさを感じますね。逆に、決算きっかけで急騰する銘柄も多い1週間ではありましたが。。

今週の【話題株ダイジェスト】 サムライJP、フェニクスB、ユニゾHD (7月8日~12… https://t.co/2aitKJ5Poq]


今月下旬からは3月決算の1Q決算発表が相次ぎます。
しっかり準備して対応したいところです。


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